ハズキルーペ「地獄回帰編」
ハズキルーペのCMが大好きなんですが新バージョン「ハズキルーペ地獄回帰編」を考えました。
真っ暗で、巨大な落とし穴に落ちている舘ひろし。一筋の光も入らないそこは正に地獄。暗闇の底から漆黒に向けて舘は声を出す
舘「咲ちゃん。助けてよ。」
絶望的な状況で、武井咲に助けを求める舘。そこはかとない大人の男のセクシーさは隠しきれない。
舘「咲ちゃ~ん」「・・・」
右手でおでこをペチンとする舘
「か~~~~まいったな。こりゃ。」
朦朧とする意識の中で、楽しかったあの頃(ホステス達がおしりで次々とハズキルーペを踏む)を思い出す舘。
もしかして今までの出来事は全部夢だったのではないか?そんな風にも思い始める。
「ふふ・・俺はニーチェかっつーの」
何となくでそんな事も言ってみる。
ふと、自身の左手にハズキルーペが握られていた事を思い出す
雨が降れば傘をさす。家に帰れば手洗いうがい。
いや、もっと・・・生命活動において・・・当たり前に呼吸をするように・・・ハズキルーペがあれば・・かける。
するとどうだろう。
「見える・・・はっきりと」
今まで漆黒としか思えなかったが、目の前には壁があり真っ赤なスイッチが付いてある。そこにはこう書いてある。
「押せ」
これは押すべきか。はたまた罠か?舘は今日までの出来事を反芻する。
初めて身近な人間の死を経験した子供時代。
父親と本気でぶつかった高校時代。恋人も出来たっけ。へへ、上京時泣いて見送ってくれた母。
自分の事で精一杯だった20代。がむしゃらに走り抜けた30代。大切な人との別れ、そして出会い。様々な通過儀礼を経て俺は今日まで生きてきた。
気がつけば、舘はボタンを押していた。
「ウィィィン!!」
頭上からゴンドラが降りてくる。
それは舘の目の前まで止まると
「咲ちゃん?」
ヘルメットを被った作業着姿の武井咲が目の前にいた。いつもの様に着飾ってこそいないが、それが逆に咲本人の美しさを際立たせる。
「さすがね。舘さん」
ゴンドラに乗った武井咲と舘ひろし。
ゴンドラはゆっくりと浮上する。フラフラになり座り込む舘。
「へへ。芥川の小説かっつーの」
何となくでそんな事を言ってみる。
武井が応える。
「蜘蛛の糸ね」
二人は目を合わせクスッと笑う。
ゴンドラが地上に着く。TAKAHIRO似の男がクレーン車の操縦席にいる。舘と目が合うと親指を立てる。舘はウインクにてそれに応える。
武井「舘さん。よく頑張りましたね。あなたの精神力とハズキルーペの耐荷重は本当に素晴らしいわ」
舘「へへ」
二人ともカメラ目線
舘・武井「ハズキルーペ」
TAKAHIRO似の男が少し後ろで親指を立てている。